「やあ、初めまして・・・」

 

「・・・」

 

「私の名は・・・君は・・・だね?」

 

「・・・」

 

「・・・何も喋らないんだね・・・」

 

「・・・い・・・」

 

「え?」

 

「・・・放って置いて下さい・・・」

 

「・・・」

 

「こうやって僕は・・・此処に座って待つんです・・・訪れるのを・・・」

 

「・・・今の君では・・・其れが訪れることは無いよ・・・永遠にね・・・」

 

「なら・・・其れが僕の罪でしょう・・・」

 

「そう悲観する事も無いんじゃないのか?」

 

「・・・」

 

「・・・またダンマリかい?」

 

「・・・」

 

「ふう・・・なら・・・私と共に来ないか?そうしたら・・・君に与えられるだろう・・・」

 

「・・・?」

 

「君が今・・・心から望む物を・・・来るかい?一緒に・・・」

 

「・・・本当に与えてくれるのなら・・・」

 

「決まった・・・なら・・・行こうか・・・」

 

「・・・何処へです?」

 

「魔女の釜の底へ・・・」

 

 


【ラグナロック】inえヴぁんげりおん外伝

 

〜神々の黄昏と神々の黄昏が出会う時・・・〜

 

序章『黄昏の始まり』

 


〜早朝、宿屋「ヘイルストーム」食堂〜

 

「ようシンジ・・・もうちっと肉付くもん食べなけりゃ大きくならねえぞ」

「・・・別に大きくなる気はありませんので・・・」

「・・・ッたく・・・おい!!ベオルブ!!お前こいつに如何いう教育したんだ!?仮にも兄だろ!!」

「そう、仮の兄さ私は、どうせね・・・彼の思う侭に生きさせた・・・此れが其の結果さ・・・」

『・・・耳が痛かろう・・・』

「!!うるせえ!!!」

そう言って我が相棒は残っているスープを勢い良く啜りこみ始める、ハッキリ言って下品だ

此処で今の状況を私が説明しよう、此処はアルパスの西にある小さな町、名前はシグカ、とか言ったか

先ずは私の相棒にして今度はパンを口一杯ほうばって其れを砂糖、ミルクたっぷりの珈琲で流し込んでいる黒いレザージャケットやら黒の皮パンで真っ黒、黒ずくめの男、リロイ=シュヴァルツァー、元は凄腕のギルドハンターで、Sランクまで上り詰めたが、とある事情によりSSランクになる一歩手前でギルドを辞め、今ではフリーランサーの傭兵をしている、確かに剣の腕は超一流だ

続いては其のリロイの前に座り、手早く朝食を軽めに済ませ、食後の珈琲をブラックで楽しんでいる男、其の名を【ラグナロック】=ベオルブと言う、其の身を縁に刃物の付いた物騒な濃い紫色のコートに包み、手には金属のみで構成された手袋・・・手首から先のみのガンとレットとでも言えばいい物をはめている、薄い茶髪、茶眼の男である

彼とは数ヶ月前、我々が下級眷属の鬼の大群と戦っていた時に通り掛かり加勢をしてくれた時からの仲、と言った所か、得てとしている武器は銃の様だが他に・・・いや、どうせまた語る機会はあるだろうからまたの機会としよう、リロイと違って、冷静、かつ心根の優しい男だ、しかし此れで何とSSランクの傭兵と言うのだから世界は広い

本人は「適当に戦っていたらなっただけだよ」と苦笑雑じりに謙遜するがおそらく、リロイと同等に渡り合える数少ない人物の1人だと私は睨んでいる、そして彼は当然ギルドの仕事を受け、成功させ、報酬を得ている訳だがフリーのリロイに早々仕事があるわけも無く、今では彼に奢って貰う事が多い、この前『まるでヒモだな』と言ったら物凄い形相で睨まれてしまった・・・

彼は「其の内、返してくれれば良いよ」と言って全く請求して来ないのでリロイもついつい彼と行動を共にし、其の侭ズルズルと・・・といった関係になっている

続いて其の彼の隣に座り、サラダと珈琲、丸パン一つというかなり少ない食事を黙々と黙って食べているのが14歳の少年、名をシンジ=碇と言う

シンジはベオルブと血は繋がってはいないが兄弟という関係になっており、彼自身もAランクの傭兵をやっている、この歳でAランクになるとは生半可な腕ではない事を示しているのだが如何せん、表情、感情が乏しい、と、言うかハッキリ言って無い、と言い切ってしまうことも可能だ

武器は棒の両端に八面体の蒼いクリスタルを填め込んだ物を使用しており、其のクリスタルに「気」を送り込み、破壊力を増大させて相手を叩き潰す戦法を得てとしている、其の「気」を刃物の形に形成して其れで斬り付ける事も可能だ

兎に角表情が無い事と、其の戦闘方法・・・そして何より・・・

銀色の髪に・・・

緋色の瞳・・・

これらのせいで彼に付けられた二つ名は

『COLD CRIMSON』(凍れる紅)

そして其の兄のべオルブもまた、其の敵に対する攻撃の苛烈さから付いた二つ名は

『DEATH CRIMSON』(紅き死)

二人で『CRIMSON GENOCIDERS』(紅き虐殺者達)と呼ばれ、仲間内からも恐れられている存在だ

ハッキリ言ってこうやって一緒に食事をしていると優しい兄と感情の乏しい弟と言う普通の兄弟に見えるのだが・・・

本人達も気にしてないし、リロイも・・・こいつの場合は最初っから気になどしてないか・・・、当分は彼らと一緒に行動するであろう

「ふう・・・親父い!!朝食、後一人前追加だ!!」

・・・この男には遠慮という言葉が生まれた時から欠如しているらしい、まあべオルブも何も言わずにいるから良いものの・・・ハッキリ言ってこっちは赤面ものだ

「・・・そう言えば・・・」

珍しく誰が話し掛けた訳でもないのだがシンジがポツリと漏らす

「?如何したんだい?シンジ?」

「何だ、美人の女の子でも思い出したか?」

優しく聞くべオルブと露骨な事を聞くリロイ、たまに私はこいつを所持者に選んだ事を後悔する事がある

「いえ・・・さっきリロイさんが飲んだスープにですが・・・」

「うんうん」

「・・・なんだよ・・・」

そう言いながら新たに運ばれてきたスープと、パンを同時に放り込むリロイ

「蝿、が飛び込んで其の侭飛び上がって来なかったのですが・・・何処に行ったのでしょうね・・・」

其れだけ言うと、シンジは再び残りの食事に掛かる、気まずい沈黙が我々の着くテーブル、いや、それどころか食堂全てを包んだ、そして・・・

「ブフォ!!!ウゲえええ!!!!!」

リロイは突然口の中に入れた食べ物を全て吐き出し、更に胃の内容物までも吐こうとした

逸早く正面に座っていたべオルブとシンジは其々珈琲カップを抱えて飛びのいた為事無きを得たが、テーブルに立て掛けられていた私は避ける事も出来ず、全身にリロイの吐寫物を浴びる事となった

そんな私を気の毒そうに見るべオルブと無表情のまま、珈琲を啜るシンジ、何とも対照的な二人だ

「そ、そ言うことはサッサと言いやがれシンジ!!ゲホゲホッ!クッソオ・・・」

一頻り吐いたが、未だに顔を蒼くしたリロイが食って掛かる

「・・・すいません・・・何といっても僕はこういう風に育ってしまったものですから・・・」

ぼそりと告げると再び黙り込んで珈琲を啜りだすシンジ、如何やらさっきのリロイの発言を根に持っていた様だ、そんな弟を兄は苦笑雑じりに眺めている・・・

・・・自己紹介が遅れていたな・・・

私の名は《ラグナロク》

今、リロイの吐寫物が付着し、酸っぱい臭いを立てている剣、其れが私だ

・・・言っていてかなり悲しくなってしまったな・・・これから如何なる事やら・・・

 

 

 

続く・・・

 


後書き?

 

どうも!【ラグナロック】’です!!今回はラグえヴぁ外伝を御送りしましたが如何でしたか?

詳しい事は道化師さんの書かれたラグえヴぁ外伝のキャラこめに書いていますが、私は因果律操作の技を磨く為、またSSの資料集めをする為に数々の世界を渡り歩き、色々な経験をして来ました

今回は其の中で小説、『RAGNAROK』(ラグナロク)の世界に行った時の話を此処で語りたいと思います

私の名前は此処では【ラグナロック】=べオルブとなっていますが、此れはリロイの相棒たるラグナロクと重なるのを防ぐ為だけに付けたので気にしないで下さい

此処にいるシンジは矢張り、エヴァの世界にいる碇シンジです、何故彼は此処にいるのか、そして彼の求める物は?

此れから其れを語って行きたいと思います、大体、本編準拠となりますが、オリキャラも出て来るし、独自の展開も織り交ぜ、書いて行きますのでお待ち下さい

更新は出来るだけ頑張りますが遅れるかもしれませんので御了承を、其れではまた!!

其れではHIDETOさん、後は宜しく!!

 


<HIDEの呟き>

『RAGNAROK』と言えば殺戮描写がやけに書き込まれてたり、登場人物多すぎなラノベですね。
え?何?シンジが笑いながら殺戮するお話ですか?
つまり、流行の血みどろピアノ線使い系スパシンですね<どんなだ

殺戮に向けて感想送りましょう。



Back    Index    Next

 

【ラグナロック】氏にメール