腹に力を入れろ。そうすりゃ大概我慢できる。
初号機の抜け殻、とでも表現すべきその物体には何故かコアが存在していた。コアが中の素体に付属するものである以上、装甲板以外
残っていない抜け殻にそれがある筈がない。だが、中身と一緒に消える筈のそれは殻に根を張り赤々と輝いている。そしてそこから
搾り出たかのように、捻れた刃が飛び出していた。
刃として有り得ない、装甲からそのまま染み出たような紫色の刃。見ればその先にはまるで柄のように刃でない部分が存在
していた。これではまるで武器だ。捻り狂った刃で何かを斬ることなど不可能だと言うのに――。それなのに、まるで誰かが引き抜くのを
待っているかの如くそれは在った。
「シンジ、抜け。あれはお前のものだ」
膝を折り佇む初号機の抜け殻を目にしたままで、振り返りもしない。背だけを見せたゲンドウの顔を伺いしることは出来ない。
「あれを……俺が手に出来ると?」
その身が体現するのは正しく兇器の鬼気。狂っているのは刃だけでなく、その身が放つ怖気もだ。
手に取ればそれだけで震えが来そうな、そんな予感を孕んでいる。まるで――そう、まるで猛り狂う初号機そのものの狂気。
「ああ。あれはお前以外には扱えまい」
ゲンドウの言葉に背を押されるように、ゆらりと紫の鎧へ近づく。夢遊病者の足取り。視界が揺れ、捻れた刃が更に歪んで見えた。
滑稽だ、と思う。その光景も、あの刃に恐れを抱く自分も。
そして、もっと深い恐れをこそ滑稽だ、と。心の底に種植えされたシヴァへの恐怖――すくむ心と情けをかけられた自分のなんと
滑稽なことか、と。
自らの心を嘲りながら、それでも前に。辿り着き、眼前に存在する柄に手をあてがう。瞬間、捻れていた刃
がほどけるように左右に開いた。
「なっ!」
そのままシンジの腕に巻きつき、その腕を中心に再び捻れ狂う。肉と皮と骨を丸ごとすり潰すように螺旋が描かれ、支柱となっていた
それは刃と一体になっていく。自らの腕を突き破り溶かしあい同一へと成り代わっていくそれを眺めながら、
「随分と都合のいいことに、今右腕の痛覚が死んでいる――無駄だ」
強く強く掌の中の柄を握り込む。自らの力で、文字通りその捻れを捻じ伏せる。自らの恐怖と弱さを一緒に巻き込むように――ただ
必死に強く強く、自らが強くあれと握り込む。
「少し大人しくしてくれ。そうすれば、少しは強制労働を控える」
言って、さらなる力を炸裂させる。シンジの銀の《color》が世界を侵し、次いでシンジの《word》が捻れを侵す。
「斬!」
言葉が紅蓮の刃を呼び、似て非なる捻れた刃へと突撃した。グサリと幾つもの紅蓮が捻れの隙間に入り込む。
すりこむように肉を削ぎ、骨を抉り、皮を貫き、そして、溶け合う腕と刃を引き離す。
捻れた刃が再び左右に開き、開いた花が逆回しにつぼみへと戻っていくように閉じていった。鋼の花は捻れることなく1つへとかえり、
紫色の弧を描く。シンジの手に握られているものは、紫色の刃を持つ鍔も銘も存在しない剥き身の太刀だ。
殺意を塗り固めて作ったような怖気の走る狂った刃。それはまさに初号機そのものだ。今、
紫色の鬼鎧を纏いし魔神――いや、魔人たる
ヒトの身が1つの刃として姿を顕した。故に、その兇器を――
「……魔刃・紫鬼」
と。
+++++++++++++++++
「何故ヒトとなったか、ですか……」
少し困った表情を作りながら、どう言えば納得して貰えるのだろうか、と思案する。科学者というものは色々と厄介だ。
「私が聞きたいのは、あたなを形作る物質情報がどのようにて人の身へと流れたのか。あなたがどうして人になろうと思ったか
は聞いてないわよ?」
カヲルは苦笑する。自分が言おうと思ったことを先に言われてしまった。思った通り、使徒からヒトへの移行プロセスが知りたい
らしい。やっぱり科学者は厄介だ。
「知ってどうするんですか?」
「もしかしたら今発生している使徒を逆プロセスで人へと変化させられるかもしれない。そうすれば、
少しは私の睡眠時間が増える……かな?」
こちらに聞かれても困る、とカヲルは再び苦笑。だが、そう使おうと言うのならば答えは決まっている。
「無理ですね」
「無理? 一方通行のプロセスだということ?」
「そういうことです」
話は終わったとばかりに、踵を返しドアへと進む。その背を見ながらユイが最後に、と問いを重ねた。
「ヒントは?」
「ATフィールドが使える使徒。それと、心……ですかね」
どうして人になろうと思ったか――その理由も強引に付け加える。言わせて貰えなかったのだから仕方ないのだ。
言いたい事を言い捨てて、カヲルは満足した足取りで司令室を後にした。少々ユイを混乱させた事はこの際気にはしない。
薄明かりに照らされる廊下を歩く。数歩歩くと丁度いいことに自販機を発見した。振りかぶることもせず、ほぼ無動作で拳を
叩きつけると、炭酸飲料がドッと落ちてくる。
「どうせなら忙しい現代人のための健康飲料が欲しかったね……」
1本だけ取り出し思い切り振る。喉と骨と健康によくないものは飲む気にならない。ならば、シンジにあげればいい。それなら
振っておくのが礼儀だろう。
拳を見ると、痛みはそれほど感じないが少し赤くなっている。その赤が今のカヲルを表す色だ。怒り、憤怒――強い激情が心に
渦巻いている。
理由は何だろうか。カヲルに明確な答えはない。
「雷」
と静かに自らの《word》を紡ぎ、周囲から電子を強奪する。右手に集う電撃の力。一振りするごとに、
白い軌跡が宙に映っては消えていく。寄せては返す浜辺の波のように、ゆらりゆらりと白が揺れる。
「なるほど……そうか、僕は自分が怒っていることに怒っている」
右手から光が拡散し、電子が空気に還っていく。
「悔しさ、恐怖――そんなもの飲み干さなきゃだめだ、僕は。僕は、そう、僕は脆弱な人の身を得て、なおそれでも強くあれと
願っていた筈だ」
左手に持っていた炭酸の口を開ける。泡が飛沫をあげるが、それごと喉に押し込んだ。生ぬるい泡が喉を通り体に取り込まれていく。
そのあまりの不味さに顔をしかめる。次いでラベルを見て、思わずカヲルはうなった。
「濃縮アボカド微炭酸、か。不味いはずだ。でも健康にはよさそうだ」
自分の思惑と外れたのが嬉しいのか、心持ち足取りを軽くして次なる目的地へと急いだ。もう1本シンジへの嫌がらせ用に確保することも
忘れちゃいない。
+++++++++++++++++
「少し力を抜け」
ゲンドウに言われ、シンジは右手に込めていた力を緩める。途端、再び腕に巻きつかんと刃が2つに割れた。
その反応を見、シンジが反射的に右手に力を込め直すと、刃は沈黙する。
どういうことだ、と半眼でゲンドウを睨む。
「そういうことだ。常に力を入れていなければならない武器など、ただのゴミだ。そうは思わんか?」
力を抜けばまた捻れる、と口で言えばいいものを、どうしてこの男は身をもって分からせるのか。シンジは右手に痛覚が
ない事を僅かに悔いる。もし残っていたならゲンドウはどうしただろうか、と。
「それなら、どうして抜かせた? これじゃ持ち歩けない」
「本当は持ち歩く必要すらないのだがな……」
「何?」
シンジの問いには答えず、言葉を続ける。
「まあいい。日向君の所に行け」
久しぶりに聞いた名を自らの記憶と照らし合わせ、彼の眼鏡をかけた人のよさそうな顔を思い出す。それほど話し込んだことはないが、
いいひとには違いない。だが、
「何故?」
「行けば分かる。それと、これを」
ゲンドウが懐から取り出し、手渡したのは手紙だ。何年かぶりに見るそれの差出人は、
「s、a、g、a――サガ……サガ? サガ=トップか?!」
「そうだ。お前を呼んでいる」
呼んでいる。サガが呼んでいる。その言葉は波紋が広がるようにシンジの脳裏へと浸透していく。
その名が示すのものは信頼と尊敬と恐怖。彼はシンジにとって命の恩人であり、師であり、兄であった。
マコト=ヒュウガ――彼の私室へと足を向けながらシンジはサガを思う。最も、今も右手には力を込め続けていて、まともな思考には
ならないのだが。
マコトの私室の前まで来るころには考えることをやめ、右手にのみ集中していた。そうしなければ、腕を喰われる。
「待ってたよ」
シンジを迎え入れるマコトの顔は昔のままだ。その温和な雰囲気に心が少し落ち着く。落ち着こうとも、右手に力を込め続けなければ
いけないのは相変わらずだが。
「辛そうだね……。はい、これでどうだい?」
と、デスクに置いてあった紙切れをシンジの右手に貼り付けた。
「これは?」
疑問を口にしながら力を緩める。右手を巻き込もうとしていた刃の獰猛性が途端に薄れ、力を緩めようと襲い来ることもない。
マコトは確かめるように頷くと、紙の束を取り出す。
貼り付けられた紙切れと同様のそれは、よく見ると札のようでもあった。その四角く白い札の表には、筆で走り書きされた『抑制』の
刻印。それによって刃の力を抑制しているのか、文字は淡い光を放っていた。
「《Write》?」
「ご名答。僕の《word》は《Write》。効果は見ての通り。最も、今の僕の力じゃ持続力と効力の両立は出来ないから、
効力を優先している。きっと1枚につき3日持てばいい方だと思う」
それが札の束を手渡す理由。強い『抑制』の力と引き換えに、長くはその力を保てないのだ。故に大量に持たせる。
「ありがとうございます」
礼を言い、体を回転させると部屋を後にする。彼と話をすることは特にない筈である。しかし、マコトは思うところがあるのか、
数秒の逡巡の後にシンジを呼び止めた。
「……葛城さんに会っていってくれないか?」
彼らしい問いだ。何を聞かれるとかと思えば、何てことはない。シンジは間を置かずに、
「勿論」
答えて軽い笑顔を浮かべる。それに答えるようにマコトも柔らかな笑みを浮かべた。
Episode 06 : 六花
赤い影が踊り、青い影が舞り、黒い影が躍る。それぞれが相対すのは、
どれもみな白い影だ。白いマントを翻し黒髪の敵たちが赤と青と黒を塗りつぶし、踏みつけにする。
白の3人が横並びになり、そのうち右端の1人が一際速く駆けた。そのまま一直線に赤い影へよると右腕を振るう。
叩きつけるというより、空気ごと体を奥へと押し込むようなその動きに、赤い影が吹っ飛んだ。
風が一緒に千切れ飛び、同調するように中央と左端の白も加速。青い影と黒い影は置いてきぼりだ。速すぎてついていけない。
ジオフロントに広がる木々を赤い弾丸が薙ぎ倒し、それに白い流星が3つ追走する。体を叩く空気とぶち当たる木々、
いやそれ以前の初撃で既に赤の意識は消えていた。意識のないその肉体はただ勢いを失い、地へと墜落するのみだ。
「ハク、シロ、残りの2人を片してこい。セカンドを殺してすぐに俺も追う」
「はいよ、ビャク兄ちゃん」
白が2手に分かれる。残った1人――ビャクは意識を失い地に倒れ伏す赤に、とどめを刺すべく近づいていく。左手を振り上げ、
心臓目掛けて掌を突き出した。
瞬間、肌肉が壊れる音が響いた。
「おかしい」
「ハク? 何がおかしいの?」
緊張感のない声を出しながら、後ろで突っ立っているハクに答える。同時に前方から飛来する打撃を受け流し、
そのままその腕を取って投げ飛ばした。すぐさま後ろから迫る拳を掌でキャッチし、グイッと引っ張って前に倒す。
張り合いがない、とシロは思う。
「大兄ちゃんが遅い。有り得ないことだ」
「ビャク兄ちゃんはルーズだからね」
笑いながら、再び前方から迫る青い影の一撃を受け止める。そのまま相手の拳を握りつぶすべく力を込めた。
「ねぇ、ファースト――うーん、と……レイ=アヤナミだっけ? 疲れない?」
答えの代わりに返ってきたのはもう片方の拳だ。シロは首の動きだけで容易く避けると、ローキックを入れ、握っている拳を支点に
強引に体を浮かせた。
まるでメリーゴーランド――と、空中に浮きながらレイは自嘲する。
体と一緒に視界も回る。グルリと回転した視界が最後に捉えたものは地面だった。意識は地に吸い込まれるように深く深く落ちていく。
暗い井戸に落下するつるべのよう。
四散していく意識を繋ぎとめながら、黒い影は何とか体を起こした。目に入るのは地に伏せるレイの姿だ。
もう自分1人しかいないのだと自覚し、心を強く持つ。黒は鉄の黒、硬く磨がれた鋼の黒だ。
「あらら起きちゃったんだ。寝てればよかったのに」
耳障りなシロの言葉を裂くように突撃する。空気を割り、地を削り、持てる最速を発揮しシロへと迫る。10歩ほどの間合いを一息で
縮めると、己が力を拳に秘め、猛り狂う気合とともに真っ直ぐに突き出す。
追い詰められた故か、手負い故か、確かに速さは先ほどの数倍だ。だが、それでもシロにとって捉えられぬ速さではない。掌で
容易く受け止め、
「あぐぅ……ぎゃぐあああ!」
その考えのなさを心の底より後悔した。
掌の肉が拳で押しつぶされた。筋肉の強さや拳の速さ、否、そうではない。ただの圧力。ただ存在する物理現象としての圧力が
シロの掌を圧搾した。指はひしゃげ、甲は潰れ、骨は既に形をなしていない。
黒い影が吼える。
「圧!」
自らの《word》を込めた拳を再び振り上げ、今度は腹を狙う。
込められた圧力が唸りを上げ、右上から鋭角を描きシロの腹にぶち当たった。シロの体が衝撃で宙を舞う。それを右腕1つで受け
止めたのは後ろに控えていたハクだ。その目は鋭く細められている。
「圧力付加、か。タネは割れた。これで我々の勝ちは揺るがない。そうだろう、中兄ちゃん」
ハクの言葉にシロが声をあげず顔の動きだけで答える。腹にまともに入ったせいで、すぐには声が巧く出せない。
「フォースチルドレン、いや、トウジ=スズハラ……なかなかやるじゃないか。だが、もう終わりだ――」
光が明滅し、弾け、世界に広がる。その光の色もまた白。マントの白色が空気に吸い込まれるように広がっていった。光源はハクと
シロ――2人の《color》が発現し、《word》が紡がれる。
本来ならば《word》を使わずに済ますつもりであった。主の思惑がどうあれ、シロ達3人は自分達のみでネルフを制圧するつもりだった
のだ。ならば、立ち塞がる3人のチルドレンを屠った後も戦闘は続き、《word》を知られていては、何らかの対抗策を用いられかねない。
個別戦闘能力で劣るわけもないが、ネルフは組織だ。そして、使徒と戦い続ける戦争屋でもある。どんな戦術を用いてくるか予想はつ
かない。用心に越したことはあるまい。
だが、このフォースチルドレンはどうだ。瞳は死なず、その拳はシロの手と腹を文字通り沈めた。ならば、侮るな。
侮りは死。全力を出すべき場を誤るな――と、そして、強き敵に敬意を払え、それが本物の戦士なのだ――と、
白の名を持ち白のマントを羽織り白の《color》を発す敵が、今、白き《word》を世界に解き放つ。
「ルネサンス、シロ=ロン――」
「ルネサンス、ハク=ロン――」
2人の声が重なる。
「――参る! 六花に埋まれ……Snow!」
白雪が舞った。
横たわる赤い少女――アスカの意識が覚醒する。ぼやける頭は今自分がどんな状況にあるのか、すぐには把握できない。しかし、目の
前に飛び込んできた光景がイヤでもアスカの意識をこじ開けた。
止まっていた。
呼吸を忘れたように2人の男が止まっていた。
白いマントを身につけた男が拳を突き出し、銀の髪を揺らす男がその拳を掌で受け止めていた。その位置はアスカの心臓手前10センチ。
どちらも力を入れている筈なのに筋肉が震えることもない。完璧に停止している。まるでほんの小さな立方体を描いて時間が切り抜かれた
よう。
アスカは声を上げられない。上げたら動く。動けばどうなる――?
(わからない)
分からないから上げられない。
アスカは体を動かせない。動かせば動く。動けばどうなる――?
(わからない)
判らないから動かせない。
ならば、身動き1つせず声も上げず死んだように固まっているしかない。それしか出来ようもない。
だが、その認識も視界に入ったものがすぐさま崩す。
砕けていた。いや、壊れていたという表現が相応しい。白いマントの男の拳は原形を留めず、それが腕に繋がっていなければ拳で
あることすら理解できず、破砕し、瓦解し、ただガラクタとして存在していた。拳にあらず、人の身でもあらず、
ただの肉でしかない。
そして、アスカは気付く。
止まっているのではなく、動けないのだと。拮抗して押し合っているわけではなく、ただそこにあるガラクタを掌に乗せている
だけならば、確かに筋肉は震えなどしない。
動く。それならば、動き、離れ、把握する。アスカの動きは素早く鋭く、離脱には一瞬の間しか必要としなかった。
その一瞬で勝負は決す。
ビャクとカヲルの間にあった均衡が崩れる。どちらも互いが動けば相手にアスカを確保される事は目に見えていた故のバランスが、
彼女自身の目覚めと動きで崩れる。
より速いのはビャク。無傷の右手を最小の動きでカヲルの首の右側面へと通し、掌を首に当てると横倒しにする格好で、地面に向けて
力いっぱい押し出す。次いで胸に合わせて膝を打ち込んだ。
回る視界の中、その膝を拳と同じように木屑のように握りつぶすと、反対にカヲルの膝がビャクの脇腹へと
文字通り刺さる。削っと音がしただろうか、確かに刺さった。肋骨も
内臓もガラクタへと変わる一撃だ。
アスカが離脱の後に振り返ると、うずくまる白いマントの男とそれを見下ろす銀髪の男――僅かの間で明暗は分かれた。
「化け物め……」
「怪物の方が若干スマートだ。だから、そっちを推奨する」
ビャクの顔には余裕の色はない。既に満身創痍。だが、使っていない。この男も未だ、
「《word》を使うなら早く使ったら? シンジ君に別れのジュースを渡せて機嫌がいいんだ。見ててあげるから早くしなよ」
願ってもない申し入れだとでも言いたげに軽く笑って見せると、ビャクの体が《color》を放つ。この男相手に《word》を使わず
勝利を手にし、そのままネルフと闘い続けようなどと、所詮は絵空事だった――と自らの甘さを悔い、故に自らが持つ最大により
敵を打ち滅ぼさんと、ビャクの《color》が世界に白色を加え、白色を刷り込んでいく。ここでもまた、白の名を持ち白のマントを
羽織り白の《color》を発す者が、今、白き《word》を世界に解き放つ。
「ルネサンス、ビャク=ロン――」
壊れた拳も肋骨も内臓も今はいい。今はただこの目の前の銀髪の獣を叩きふせんと、力を放つ。
「――参る! 六花に凍れ……Snow!」
白雪が吹き荒ぶ。
+++++++++++++++++
To Be Continued to Episode 07.
Next, Shinji will meet Saga Top and battle the strong.
The other side, Rai vs Snow, Atu & En vs Snow & Snow...let's fight.
+++++++++++++++++
<後を書く>
書いてから「s、a、g、a――サガ」ってまるっきり某お笑い芸人のアレだよな、と思う。
これが世間の荒波ってやつですか。佐賀県人の皆様、悪気はございませんですよ?
あと、やっと筆がのってきた。まあ、のった割にどうなの?って出来だけれども。