愛しき者達
異伝
願い叶える者
《第一話》
シンジは魔法の使い方を身につけた後、自分専用の装備品を作る事にした
目を閉じ手を掲げて発動の基準となる力ある言葉を言い放つ
「アダム」
第壱使徒アダム、その名を冠する能力は「創造・破壊」どちらも多くの制約が付くが、この場合には一番使える能力である
シンジの掲げた手の上に赤き線で剣の形が構成されるその剣は両刃の1メートル程の剣
それが二本作成され、そして1メートル50センチ程の大型の両刃の剣が一本作成される
二本ある剣は両方が蒼銀色をした剣、一本だけの大剣が漆黒ながら刃の切れる部分が銀色となっていた
「そうだね・・・・二本の剣の方の銘を『ヴォルパルソード』大剣の方を『ドゥームブレイブ』って名付けるか」
そして再びディラックの海へと沈んでいった
そして次の日、シンジはアネルが来た時には白き甲冑を身に纏い蒼銀の剣を二本携えた姿になっていた
「まぁ、良くお似合いですが・・・・・何時の間にそのような装備を?」
「えっと・・・まぁ、ボクの持ち物だったので」
「そうですか・・・でも、本当に良いのですか?与えた力の練習をしなくて」
「はい大丈夫です、それよりも余り時間が無いのでしょう?それならばすぐにでも活動を始めないと・・・・」
「確かに・・・・そうですね、では急いで申し訳ないですが・・・・・この世界の比較的町に近い所にお送りします」
そう言うとアネルはなにやら呪文を唱え始める
するとシンジの視界が段々とぼやけて行き、次に視界がハッキリした時は平原の中に立っていた
「フフフ・・・・本当に、頑張ってくださいね」
シンジはとりあえずその場に立っていても仕方が無いのでとりあえず歩き出す事にした、途中で人にあったら町の場所を聞こうと
そして歩いていると異形の物と出会った
それはミミズを白く大きくしたような形のものであった
「シャアァァァァァァァァァ」
口から白き液を吐き出し、それを浴びた草がドロドロと溶けていく
「くっ!こんなに早く身につけた力を使う事になるなんて・・・・」
そう良いながらシンジは昨日身につけた魔法の呪文を唱える
「紅き炎よ!!紅蓮の炎よ!!我の力の元に使役され、敵対せし者を業火で焼き尽くし!不浄なる地に墜とさん!!
アブソリュート=クリムゾンレイ」
唱えた次の瞬間、敵に数千の紅い太いレーザーが降り注ぐ
「ギョオオオオオオ!!!!!!」
醜い断末魔を上げながら燃え尽きる白ミミズもどき
シンジはその様を呆然としながら見ていた
呪文が降り注いだ大地は何故か全く被害を受けていなかったが、雑草が綺麗に消え去っていた
「な、何だよ・・・この呪文・・・威力凄すぎるよ」
「す・・・・凄い」
シンジは後より聞こえてきた声に驚いて振り向く
「!!!!!!!!!!!!!」
「あ、驚かせ・・・・・・」
後に立っていたの人物は肩口まである髪を二つに分け、顔にはまだそばかすが残っている自分と年齢の余り変わらない少女
2−Aクラスで委員長をしてた洞木 ヒカリ、その人にそっくりだった
「?どうかした?」
シンジは驚いたものの、相手が言葉の途中で止まった不思議に思い尋ねる
「え!?な、何でもないわ!!」
実はこの少女、振り向いたシンジの美貌に時が止まってしまったのだ
それはそうだろう風に揺れながら日の光を浴びてキラキラと輝く眩しいまでの銀髪
そこら辺の女性では太刀打ちできないほど白く透き通った肌
そして、神の様な神々しさと、女神の様な妖艶さが入り交じった紫電の輝きをまとった瞳
少女の時を止めるには十分の威力があった
現に今も視線を合わせられずに顔を真っ赤にして俯いている
「えっと・・・そうそう!私は洞木 ヒカリ、一応槍闘士で霊術も使えるわ年齢は14歳よ」
自己紹介はきちんとと顔は赤いが一生懸命顔を上げて言う
「・・・・・・・・・・・」
(名前まで同じ・・・・・パラレルワールドでも酷似しすぎじゃない?)
シンジはついそう思いヒカリの顔を凝視してしまった
「ど、どうにかしたの?」
ヒカリは顔をより真っ赤にして自分の姿を確認しながら尋ねる
「あ、ううん、何でもないよ、ボクは碇 シンジ、剣士だよ霊術は使えるよ年齢は同じく14歳、ヨロシクね」
そう言って微笑む
「・・・・・・・・・・・」
その笑みに完全に見惚れてしまうヒカリ
「どうにかしたの?」
「う、ううん、なんでも無いわ、こちらこそヨロシクね」
そういって握手を交わす
ヒカリは心の中では
(きゃ〜!!!今日始めてあった男の子と手を繋いじゃった〜!!!・・・でも、この人なら不潔じゃないわ〜〜!!!!)
と叫んでいた
「あの・・・・ちょっといいかな?」
「え?何?」
「えっと・・・この近くの町の場所をおしえて貰いたいんだけど・・・・良いかな?」
「え?この近くの町?・・・・・碇君?貴方何処から来たの?この近くには町は一つしかないのに・・・」
そう言われてシンジはしまった!!と思った
「ああ、ボクは最近までちょっと修行しててね、今日やっと一人前になったって旅に出れたんだ」
「そうなんだ・・・・・良ければ町まで案内するわ」
(そうなんだ・・・一人なんだ・・・それなら、別に私が一緒にいても良いわよね♪)
心の中では色々考えながらも表面と発言はシンジを気遣っている
「本当?そうしてくれるとありがたいな・・・・・で?洞木さんはどうしてこんな場所に?」
「私?私も旅してるんだけどね・・・ちょっとお金が足りなくなってきたらモンスター倒してお金稼ぎ」
「そうなんだ・・・ボクもお金稼ぎしなきゃなぁ」
シンジはヒカリの話を聞き、ようやく自分もお金を持っていない事に気付いた
「そうだ・・・よかったら私とパーティ組まない?私も一人だし」
(ここでパーティ組めれば必然的に一緒に居れるわよね・・・それに
一緒のパーティになったら色々あるかも知れないし・・・・・)
なにやらピンク色の妄想が頭を埋め尽くし掛けている
「そうだね・・・・・ボクも一人だし・・・・洞木さんさえ良ければ、でも・・・・」
「でも?」
(ここでこんなチャンス逃がしてたまるものですか!!)
「洞木さんは旅の目的とかは無いの?」
「ええ、特にはないわね・・・・・碇君は?」
「実は・・・・ボクは黒の男神グァラゼの居る場所を探しているんだ」
「男神グァラゼ?それってモンスター達の頂点に立つ男神グァラゼ!?」
「・・・・・・・うん、詳しくは言えないけど・・・ボクはそのグァラゼを倒さなければならないんだ」
「そう・・・・・・・別に良いわよ、私も何か目的があっての旅じゃなかったから、って言うかね」
「うん」
「実はこの近くの町ってのが私の産まれた町なの・・・つまり、私はまだ旅立ってないのよ」
「・・・・・・・・・」
この発言には流石に固まるシンジ
「で、一応こんな事してるからいつか旅立ちたいな〜って思っていたの」
「つまりボクのせいで旅立つ事になったって事!?」
「碇君は切っ掛けにしか過ぎないわ・・・・だから気にしないで♪」
「そ、そんな事言われても・・・・」
「大丈夫♪ちゃんと途中で泣き言とか言わずに付いていくから♪」
(碇君と一緒に旅に出れるんだもの・・・・泣き言を言う筈が無いわ♪)
「・・・・・・・・・・・解った」
シンジはヒカリの言葉を信じることにした・・・・・・・本心を知らずに
「じゃあ、改めて、ボクとパーティを組んで下さい」
「喜んで」
そうして再び握手をする二人
そして敵を捜して平原を彷徨う二人
「あ、私のエレメントは『雷』よ、シンジ君はやっぱり『炎』?」
「えっとね、ボクは一応全部使えるんだ」
平然と言いのけるシンジ・・・・・アネルから普通の人は多くても2つと言われたのを覚えてない様だ
まぁ、ディラックの海の中で一年程訓練してたのだから覚えて無くて当たり前なのだが
「・・・・・・・・・・・え゛?」
その言葉を聞いて固まったのはヒカリの方だった
「ぜ、全部って言ったの?碇君?」
「え?うんエレメント『炎』『水』『土』『風』『雷』『氷』『光』『闇』全部使えるよ?」
「・・・・・・・碇君って天才なのね・・・確かに修行が必要だわ」
(全部のエレメント使えて、しかもエレメント『炎』が一番得意だとしてもあの威力・・・素質かしら?それとも凄い修行を?)
「そ、そうかな?」
シンジは誉められた事が嬉しく頬を染めながら微笑む
「・・・・・・・・・・・・・」
(碇君・・・・・その表情はとってもヤバイわ・・・私、もう魅了されちゃったわね)
ほのぼの会話をしているとシンジがイキナリ後を振り向く
「何!?」
ヒカリも慌てて振り向くと其処には敵が立っていた
それもさっきシンジが倒した白ミミズもどきが7匹、それに緑色の3m程の蛇が3匹
「ボックにアナコンダ!?それにこの数・・・・ちょっとヤバイかも」
ヒカリは自分の槍『コルセスカ・改』を構え
「碇君・・・今度は私の力を見せるから」
そう言い放ち呪文を唱え始める
シンジはいつでもヒカリを助けれる位置に立ち、静かにヒカリを見守る・・・・一応ヴォルパルソードを二本とも抜いて
「天より落ちくる電光よ・・・糸となりて網を張り、今は我が手より放たれ敵に襲いかからん
ライトニング=ウェブ!!!」
ヒカリの手より放たれた電光が蜘蛛の巣の様に広がり敵にまとわりつきダメージを与える
この攻撃によりボックが3匹、アナコンダ1匹を倒した
すると、残りのボックが白き溶解液を吐き出し、それを避けて体勢が崩れたヒカリにアナコンダが襲いかかる
「!!!!!!!!!!」
ヒカリは襲い来るであろう痛みに対して眼を瞑る、その時
「飛翼!!」
その声と共にヴォルパルソードより生み出された二つの鎌鼬がアナコンダの首を斬り飛ばす
そしてヒカリの安全を確かめぬままに4匹のボックの方に走り、斬り倒すその動きはまるで風の様であった
もちろんシンジがこの様な動きを出来たのにも理由がある
紅き海に入った時に手に入れた能力に身体能力の向上という能力も身につけたからだ
(碇君って・・・・・剣士としても凄かったのね)
ヒカリはシンジは剣士としては良くても並ぐらいの腕前だろうと思っていた
それもそうだろう、シンジが先程使った炎霊術は『禁術』と呼ばれる物の一つである
霊術だけを修練した者でも楽には辿り着けぬ術であった、そのため剣士としてこれほどのチカラを持っているとは思わなかったのだ
「洞木さん?何処か怪我でもした?」
シンジはまだ立ち上がってないヒカリを不思議に思い手を差し出しながら尋ねた
「え!?あ!大丈夫よ」
そう言いながらシンジの手を借りて立ち上がる
(コレってピンチに陥った女性を男性が颯爽と助けて心配するってシュチュエーションにすっごく似てるわよね・・・キャ〜〜〜♪ステキよ〜〜〜♪)
その後も多少の敵を倒し、路銀がある程度溜まり日も暮れたのでヒカリの案内で町へと向かうと事なった
第一話 完
後書き
どうも闇乃棄 黒夜です
もし読んでくれてる方が居るのでしたら・・・・・こんなに時間を掛けて申し訳ありませんでした!!!!!
忘れていたわけでは無いのですが・・・・・他のSSの方をつい進めてしまって
HIDEさんにも申し訳ない気持ちでイッパイです・・・ゴメンナサイ
さて、話を変えましてこの第一話の話をさせて頂きます
洞木 ヒカリ嬢が出て参りましたが・・・・・私も書くまでは出す予定0でした
誰かを出そうと思い、考えていたらフッと洞木 ヒカリ嬢が浮かんできてその導きのままにだしてしまいました
そして「愛しき者達」で、日向君と赤木さんを「ああいう風」にしたのでヒカリ嬢もそうして見るか・・・と思い今回の様な書き方をさせて頂きました
あいかわらずヘボヘボなSSですが、面白く書けるように努力はしておりますので見捨てないで下さい
<HIDEの語り>
だから、疑えよ!
でも、何か理不尽に魅了しちゃったみたいなんでオッケーっぽいです。
この調子で、登場人物全員が女性。そして、全員魅了。
とかだったら、もう、このページは明日から闇さんのページになります。
で、ドゥームブレイブとか、やっぱり発音しづらいです<最悪
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闇乃棄 黒夜氏にメール