愛しき者達
 
異伝
 
願い叶える者
 
《第二話》
 
 
 
「ほら、町が見えてきたよ」
 
ヒカリがそう言って眼の前に微かに見える門の様な物を指さしながら言った
 
「うん」
 
シンジは言葉少なに返事だけしたが、内心ではこの世界で初めての行く町なので何があるのかワクワクしている
 
「あれ?門の外の所に誰か立ってるよ?」
 
シンジ達が進んでいくと、門より少し出た所に誰かが腕組みをして立っているのが見えた
 
「門番の人?」
 
「え!?違うはずだけど・・・・・いざというとき門を降ろすために内側に居るのが規則だったはずだから・・・」
 
シンジは思いついたことを聞いてみるが、ヒカリは「確か・・・」と思い出し思い出ししながら答える
 
「だったら・・・・・人を待ってるのかなぁ?」
 
そんな話をしながら町に向かっていく、すると当然その腕組みしている人との距離も無くなっていく
 
そしてその人物の顔が解る程まで来たとき
 
「鈴原!!なにしてるのよ!!こんな所で?」
 
ヒカリは驚いた声を出し、シンジは言葉を失ったのだった
 
「なにをしとるって・・・・ヒカリ!!お前を待っとったんじゃろうが!!
 
外はモンスターが居て危険や言うのに一人で行きおってからに!!」
 
「いいじゃない!!こうして無事に帰ってきてるんだから!!!」
 
「だからってなぁ!!大体、女は家で縫い物や料理をしとればいいねん!!」
 
「女だからってそんな事決めつけないでよ!!どうしようと私の勝手でしょう!?」
 
「なんやと!!!って・・・・・・・・誰やねん、そいつ」
 
そしてそのまま口喧嘩を始めたが、トウジが隣で呆然としているシンジに気付き聞く
 
「あ、此方は碇 シンジさん、今日知り合って私とパーティを組んでくれた凄腕の剣士よ
 
碇君、こいつは鈴原 トウジ、私の幼なじみで拳闘士なの」
 
「よ、よろしく鈴原君」
 
(・・・・・あはは・・・・やっぱりトウジなんだ・・・・)
 
多少引きつりながらも笑顔を浮かべながら握手を求めるために手を差し出す
 
「なんやて!?パーティを組んだ!!こんな・・・・・・・・・まぁ、悪人にはみえんわな・・・・・て違う!
 
今日知り合った人間といきなりパーティ組むなんて何考え取るねん!!」
 
トウジはヒカリの言葉に驚き感情をむき出しにしてシンジの方を指さして「こんなヤツ」と言おうとしたが
 
どう見ても悪人には見えないシンジに一瞬納得しかけるものの、別の点を突いて怒鳴る
 
「いいじゃない!!私がどんな人とパーティを組もうと!!」
 
「なんやと!?いいわけあるかい!!ワシとパーティ組まん癖にどうしてこんな貧弱そうなのと出会ったその日にパーティ組んどるねん!!!」
 
「私が鈴原と組みたく無くって!!碇君とは組みたかったってだけの事じゃない!!」
 
「くっ!!解った!!なら決闘や!!ワシに!!いやワシ等に勝てたら其奴をヒカリのパーティとして認めたろうやないかい!!」
 
そう言って未だに握手の為に手を差し出しているシンジに指を突きつける
 
「なんでよ!!何で鈴原に認めて貰わないといけないのよ!!!」
 
「五月蠅いわい!!!お前を守れるヤツかどうか解らんヤツをお前のパーティに入れられるかい!!!」
 
「!!!!何言っても解らないみたいね!!碇君!!こんな馬鹿徹底的にやっつけちゃって!!!」
 
ヒカリは何を言っても解ってくれないトウジにとうとう怒り、シンジを振り向いてそう言い放つ
 
「えっと・・・・・つまりボクは決闘をしなきゃいけないって事で良いのかな?」
 
シンジはいまいち状況を理解出来てない為に確認の為に聞く
 
「そうよ!!この馬鹿をやっつけちゃって!!」
 
「そうや!!そうせなヒカリは任せられん!!!」
 
「はぁ・・・・・解ったよ、で?今から?」
 
シンジは何を言っても無理だと思い・・・いや、何も言わせてくれなさそうな二人にため息をつきながら聞く
 
さて、ここまで来れば解ってる方も多いと思うが、トウジはヒカリの事が好きなのである
 
しかし、持ち前の性格の性でどうしても告白などの事が出来ず、逆に強く言ってしまい嫌われている始末
 
本人はそれに気付かずに「どうしてや?どうしてワシの心に気付いてくれんのや?」と悩んでる阿呆なのである
 
「いや!!明日や!!明日、町の中心にある広場で決闘や!!!」
 
「解った・・・明日だね?場所にはどうやって行けば・・・」
 
「私が案内するから大丈夫よ!」
 
シンジが悩んだ瞬間にヒカリが自分から案内すると言う
 
「あ、うん、ありがとう」
 
シンジはそれを聞き、笑顔を返す、そして顔を赤く染めるヒカリ
 
「!!!!!!!!!く、詳しいルールとかも明日説明したる!!首を洗って待っとよ!!!」
 
トウジは二人のその少々甘ったるい雰囲気に怒りが込み上げて来て、早口に言いたいことを言うと町へと走って行った
 
「???どうして鈴原君は急いで行ってしまったんだろう?」
 
「さあ?なにか大事な用事があるんじゃないかなぁ?」
 
そのトウジの様子が全く理解出来ずに頭を捻るシンジとヒカリ
 
「まぁ、いいじゃない、とりあえず一旦私の家に寄ってくれるよね?」
 
しかし直ぐさま忘れることに決めてシンジを家に誘うヒカリ
 
「え?でも・・・ほら宿も探さないといけないしさ」
 
「だったら尚のこと家においでよ、家に泊まれば良いんだか」
 
(そうよ!!こんな所で碇君を離す訳には行かないわ!!)
 
「両親にも碇君の事を紹介しないと行けないし、ね?」
 
「うん・・・・・そうだね、それじゃあおじゃまさせて頂くことにするよ」
 
(そうだよね、パーティを一緒に組んだし、旅に出ることを説明するのは少しでも早い方が良いよね)
 
「うん♪さあ、こっちよ」
 
両者の思考は少々食い違いながらも、シンジはヒカリの家に寄ることになった
 
 
 
 
 
「ムカツク!!ムカツクで〜〜〜!!!なんであんなヤツがヒカリとパーティ組めるねん!!!!」
 
そう叫びながら走っているトウジ、彼は明日の決闘の為にメンバーを集めているのだった
 
正確には、メンバーはもう決定しているので決闘の事を知らせるために走り回っているのだ
 
「絶対!!絶対明日!!!ヒカリの前でボロボロにしたる!!そしてワシの強さをヒカリに見せたるんやぁぁぁ!!!!」
 
そしてなにやら明日の意気込みを口走りながら更に速度を上げる
 
「そしてヒカリは本当の気持ちに気付き!!ワシもそれを受け止めてめでたく結ばれるんや〜〜!!!」
 
ついには自分に都合の良いことを口走り出した
 
そうやってトウジの夜は更けていった・・・・・・・
 
 
 
 
 
「ここ、ここが私の家よ」
 
「へぇ・・・・結構大きい家なんだね」
 
シンジが正面にある家を見上げる、白を基調とした外見は質素と言うか飾り気の無い、しかし、存在感を発する家であった
 
「そうかなぁ?私はこの家で育ってきたからこれが普通なのよ」
 
シンジにそういう相槌を返しながら家に入っていく
 
「ただいま〜、さっ、碇君も入って」
 
「おじゃまします」
 
そしてシンジが家に入ると、ドタバタと足音が聞こえてきた
 
「ヒカリ!!こんな時間まで何処に行ってたの!!夕食の用意もしないで!!!」
 
「ヒカリお姉ちゃん!!もうお腹ペコペコだよ〜、早く夕食の準備してよ〜!!!」
 
「ヒカリ!!こんな暗くなるまで何処で何をしていたんだ!!父さんは心配で心配で町を駆け回ろうかどうか悩んだんだぞ!!!」
 
そして駆けて来たのは、ヒカリより年上でロングのポニーテールのダークブラウンの髪と黒の瞳を持つ細身ながらもボディーラインのハッキリした女性
 
ヒカリより年下でロングのストレートの黒の髪、茶の少々混じった瞳で、ちょっとコロコロとしたまだ女性としてのメリハリの現れ始めの女の子
 
髪は黒の短髪で瞳も黒で少々焼けたがっしりとした肉体を持った、三十代後半の男性
 
の三人だった
 
「コダマお姉ちゃん、ノゾミ、お父さん、お客様を連れてきたんだからそういうみっともない姿を見せないで・・・」
 
ヒカリは帰宅と同時に大声を上げながら駆けて来た家族を見て、少々項垂れながらそう返した
 
「え!?あ!!・・・・・す、すみません、私、ヒカリの姉の洞木 コダマと言います」
 
コダマはそう言われてヒカリの後方に居るシンジを見つけ、羞恥と相手の美貌に顔を一瞬で真っ赤に染めるときちんとした挨拶を返す
 
「え!?ええええ!!えっと私は、ヒカリお姉ちゃんの妹で、洞木 ノゾミって言います」
 
ノゾミはそう言われてヒカリの後方に居るシンジを見つけ、姉が男の人を連れてきた事とその美貌に驚きながらも姉と同じように挨拶を返す
 
「なに!?なにぃぃぃい!!??・・・・・・私はヒカリの父親で洞木 マサルと言います・・・で?貴方は?」
 
そして父親のマサルは、ヒカリの言葉を聞くと直ぐさまシンジの姿を見つけ、娘が始めて男を連れてきたことに驚き
 
その後、直ぐさま真剣な表情になると娘達が挨拶し終えるのを待ち、丁寧に挨拶をするとともに尋ねる
 
「あ、ボクの名前は碇 シンジと言います、今日、ヒカリさんと外でお会いしましてヒカリさんの好意に甘えて家に招待して貰いました」
 
するとシンジもどうして良いのか戸惑った顔を引き締め、丁寧に返答する
 
(ヒカリ!!良くやったわ!!こんなカッコイイ人と知り合うだけか、家にまで連れてくるなんて!!)
 
(ヒカリお姉ちゃん!!ありがとう!!こんなカッコイイ人と知り合ってしかも家に連れてくるなんて!!)
 
・・・・・・・どうやらヒカリとは似たもの姉妹のようだ
 
「そうですか、まぁ詳しいことは後で聞くと言う事にして・・・・ヒカリ、連れてきたって事は一緒に食事を、と言うことだろう?
 
それなら早く夕食の準備をしないと、いつもお前が作ってるからなにも出来てないぞ?」
 
「え!?うん、解った・・・それじゃあ碇君、私は相手できないけど・・・ゴメンね?」
 
ヒカリは父親の対応に少々驚いたが直ぐさまキッチンと向かうために家に上がりながらシンジに声を掛けた
 
「ううんいいよ、ボクは先に多少の事を話しておくから」
 
「うん、じゃあね」
 
そう言ってキッチンの方へと消えていくヒカリ
 
「さて、碇君・・・だったかな、いつまでもそんな所に立っていずに上がりなさい、お前達お客様なんだからお茶の用意とかしなさい」
 
そして頃合いを見てマサルがシンジに上がるように進めながら、シンジを見つめている娘達にも用事を言付ける
 
「「は〜い」」
 
その父親の言葉に、直ぐさま動き出すノゾミ・コダマ、どうやらさっさと準備してシンジの事を色々聞こうと思ったようだ
 
「それじゃあ、おじゃまします」
 
 
 
 
 
そしてヒカリが料理を作っている間に、ヒカリと出会った切っ掛けや、ノゾミ・コダマの質問や、逆にこの町の事やこの世界の事を聞き
 
そして夕食では、ヒカリも交えて料理の批判や、三姉妹とお喋り、マサルとの語り合いなど楽しい時間を過ごした
 
そして夕食も終わり、ヒカリも洗い物を終えテーブルに戻って来るとヒカリは本題を話し始めた
 
「お父さん、今まで話してきたから解ってると思うけど・・・碇君、この町の人でもないし、私がココまで一緒だから宿も取ってないの・・・
 
・・・・・・・・・だから、家に泊めちゃダメ?」
 
自分がどんなことをお願いしているのか理解しているために少々俯きながら表情を伺い伺い、聞く
 
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 
マサルは目を閉じ、腕を組んで沈黙を続ける・・・・・
 
今まで事からシンジの人柄を多少ながらも理解したので、危険は少ないと思っているが・・・三人の娘の父親なのである、それ故に迷っているのだ
 
「お父さん、いいじゃないヒカリも危ないところを助けて貰ったみたいだしさ」
 
「そうだよ!!いいじゃないお父さん、碇さんがいい人だってのは解ってるんでしょう?」
 
その時にコダマ・ノゾミからも助けが入る・・・・・まぁ、この二人が思っていることは
 
((すこしでも長く一緒にいたい!!・・・それにもっとお喋りしたいし・・・))
 
という思い故なのだが
 
まぁ、初対面でヒカリを魅了してしまった美貌と会話の時に時々浮かべる綺麗な笑顔に二人とも侵されて居るからでもあるのだが
 
「そうか・・・・・・お前達がそう言うなら良いだろう」
 
父親とは得てして娘に弱い者である・・・それにそう納得させる程にシンジはいい人なのだ
 
「あ!ありがとうお父さん!!・・・・・」
 
ヒカリは眼を輝かせて感謝するも、もう一つの事を言うかと思うとより顔が俯いてしまう
 
「ホントにありがとうございます、こんな今日知り合った不審な男が泊まることを許してくれ」
 
シンジもまさか許して貰えるとは思わずに感謝の言葉を述べる
 
「あはは、自分から不審者って言うような男が悪人なんてのは珍しいと思うぞ?」
 
マサルもシンジの感謝の言葉に笑い声を浮かべながら応じる
 
ノゾミ・コダマはシンジが泊まることになりお互いがお互いに笑顔を返していた
 
・・・・・・・・・まぁその表情も直ぐさま消え去ることになったのだが
 
「・・・・・・・・・・あ、あのね、お父さん・・・・・・・・・も、もう一つお願いがあるの」
 
そんな時にヒカリがさっき以上におずおずと言葉を紡ぎ出す
 
「ん?なんだ?」
 
マサルはヒカリにしては珍しくお願い事が多いな〜と思いながら顔を向ける
 
シンジは、もしかしてって顔をしてヒカリを見ると、目が合い微かにヒカリが頷く
 
「その・・・・・・実は、ね・・・・・・私・・・・・・碇君とパーティを組んだの・・・・・だから・・・・・その・・・・・旅に出たいの!!」
 
小さいながらも皆に聞こえる様な声で呟き、最後には強い光を称えた眼で父親の顔を見る
 
「「な!?なんだと(なんですって)!!!!!」」」
 
マサルもコダマもノゾミもまさかそんな事を言われるとは予想してなかったので驚いてしまった
 
「お願いお父さん!!私!碇君と旅に出たいの!!」
 
ヒカリは驚きに固まってる家族を無視して自分の想いを強く述べる
 
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 
シンジは、今の段階では何も言えることが無い、と沈黙を保ち状況を見ている
 
「ヒ、ヒカリ?・・・・・もう一度・・・・・・・・・・もう一度・・・・聞くが・・・・・・・・・
 
・・・・・・・・・・・・た「「パーティを組んだって!!?しかもシンジ君(碇さん)と!!?」」
 
父親の言葉をかき消し、二人の姉妹の声が響く
 
「う・・・・・うん、今日出会って・・・少し離した後に私から誘って・・・・碇君もOKしてくれて・・・・・・」
 
二人の自分の姉妹の大声と初めて見る表情に、少々脅えながら答える
 
「「本当なの(なんですか)!!?シンジ君(碇さん)!!!!!」」
 
「え!?う、うん・・・ほ、洞木さん・・あ、みんな同じ名字か、ヒカリさんとパーティを組んだけど・・・・・」
 
そうすると今度は二人はシンジへと詰め寄った、それに驚きながらも返答を返す
 
その返答を聞くと、黙り込んだものの二人でボソボソ話し、チラリチラリとヒカリに鋭い視線を向ける二人
 
「・・・・・ゴホン!とりあえず・・・・・旅に出たいのか?」
 
二人の娘に寄り、感情的になったのを抑えられた父親が改めて尋ねる
 
「う、うん・・・前から旅に出たいって言ってたでしょう?その為の訓練って言うか・・そう言うのもしてきたし
 
そして今日・・・碇君にも出会ったし・・・・・私は・・・・運命だと思うの」
 
いくら穏やかな物言いだとしてもやはり思うところがあるのだろう・・・ボソボソと・・・しかりハッキリと告げるヒカリ
 
「そうか・・・・・お前は以前から一度決めたことにはどうしても変えなくてはいけない事以外は意地でも通したな・・・・・・
 
今回も曲げることは無いのだろうな・・・・・・・それに確かに前から旅に・・・冒険に出たいと言っていたしな」
 
「そ、それじゃあ!!いいの?お父さん!!」
 
ヒカリは父親の意外とも取れる言葉で喜び、瞳を輝かしながら尋ねる
 
「しかし・・・・・だ」
 
「え!!」
 
しかし継いで出た言葉に一気に顔がこわばる
 
「確かに碇君はいい人だと思う、しかし・・・・・お前を任せても良いのかどうか・・・私はまだ強さを知らない」
 
父親として、やはりある程度の、自分が任せられると判断するだけの強さが無いとOKを出せないのだろう
 
「あ、それなら明日、鈴原と決闘をする事になってるから、それを見て貰えば判断できると思うの」
 
その父親を聞いた後、直ぐさまそれならとさっき決まった事を教える
 
ヒカリとしては昼間にシンジの強さを見ているために負けること無いと思っているのだ
 
「ほう?鈴原君と・・・・何故決闘をする事に?」
 
マサルはどうして決闘をする事になったかを尋ねる
 
そしてヒカリは身振り手振りと感情を移入させまくって説明をした
 
「そ、そうか・・・・なるほどな」
 
(す、鈴原君も可哀想に・・・・・・父親の私が聞いても全く脈が無いじゃないか)
 
「でもさ・・・・大丈夫なの?鈴原君って・・・確かこの前あった武闘大会でベスト4の一人に入ったんでしょう?」
 
コダマがすこし心配そうに聞いてくる
 
余談だが、この世界ではグァラゼの軍勢に負けないようにと、それぞれの町や村で自主的に武闘大会などが開かれることになっている
 
「そうだよ・・・・大丈夫なの?それに・・・もしかしたら他の二人も相手しないといけなくなるかも知れないよ?」
 
ノゾミも心配そうに聞いていく
 
再び余談になるが、この町で開かれた武闘大会での結果は、ヒカリが4位、ノゾミが8位、コダマが5位、そしてトウジが2位である
 
そしてノゾミが言っている他の二人とは、ヒカリとトウジ意外のベスト4、第三位の相田 ケンスケ、そして優勝した渚 カヲルの事である
 
「碇君ならきっと大丈夫よ、ね?碇君?」
 
しかし、ヒカリは全く歯牙に掛けない
 
「えっと・・・・・闘ってみないと何とも言えないよ」
 
シンジは、自分の強さは知っているものの、トウジの強さを知らない為に確定的な事が言えない・・・まぁ、性格故というのもあるだろうが
 
「ほら〜、ヒカリ、アンタ楽観視しすぎよ?」
 
「そうだよ〜傷つくのは碇さんなんだよ?しかも相手は町が誇る強者」
 
「お姉ちゃんもノゾミも明日になったらどうして私がこんなに安心してるのか解るわよ」
 
しかしその三人の言葉にも堪えずに笑顔を返す
 
(そうよ・・・・・碇君、あんなに強いんだもの・・・しかも、私を助けてくれたし・・・・・ああ、ホントに碇君って素敵よね〜)
 
内心では今日の平原での戦闘でのシンジの勇姿を色々と思い出していたのだった
 
「へぇ〜、ま、それは明日楽しみにしてるとして・・・・・ヒカリ、一つ大事な事忘れてなぁい?」
 
「そうだよ!!お姉ちゃん大事な事忘れてるでしょう?」
 
すると今度は姉妹二人がヒカリに向けて意地の悪い笑顔を浮かべた
 
「え!?何を忘れてるって言うの?」
 
「「お父さんがOK出しても私達がOKだして無いって事!!!!」」
 
二人が声を揃えて言い放つ
 
「ええ〜〜〜〜〜〜!!!!????」
 
ヒカリは思いも寄らなかった姉妹達の言葉に驚きの声をあげてしまった
 
 
 
 
 
第二話 完
 
 
 
 
 
後書き
 
いや〜実に二ヶ月以上振りの新作です、本当ならもう少し早め早めに新作を書き上げたいんですがね、どうしても別の作品とか、私生活で色々とあるので遅くなってしまいます・・・・・申し訳ないとは思っているのですが
本当にコレばっかりはどうしようもないんですよ・・・・だので温かい目で見守って下さい
さて、この第二話ですが・・・正直、どう書くか悩みました・・・トウジはヒカリを出した時点で出すことにはなったのですが・・・・ヒカリの姉妹と父親・・・これは本当にどうしようか悩みました・・・・そして意外な事に出現決定したキャラはカヲル!!!
ケンスケはトウジが出るので出るのは決めてましたが・・・・カヲルは正直出すとは決めてませんでした・・・・出すことに決めた理由は・・・・三話の後書きに書かせて頂きます、というか三話書かないと説明できないんですよねぇ、先に展開言うことは出来ないですから・・・だから三話がUPされるまで待っててくださいな
 
闇乃棄 黒夜
 

<HIDEの語り>

男が出てきた、残念<違う

で、次回はきっとなし崩し的にコダマさんとノゾミさんもついて来る、みたいな、展開に10000000ペリカ。



カイジ、面白いよね?



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闇乃棄 黒夜氏にメール